ロックレス

ロック板が無いコインパーキングが増えている。ロックレス式と呼ぶらしい。駐車すると車の下や前に起き上がってくる板がロック板。これが無いと機械の出っ張りに気を遣わず停めやすい。コインパーキングをめぐっては、さまざまなトラブルが考えられる。オフロード系の車なら、ロック板を踏み超えられる。目撃したことがある。車高が低い車は、ロック板で破損することも考えられる。

運営する企業にとっては、こういうトラブルが無くなったり、設置やメンテナンスのコストを減らせるメリットがあるだろう。一方、ロック板が無いので、そのまま出庫できてしまう。料金を支払わなかったらどうなるのか。不正があった場合、カメラで記録した車のナンバーの情報開示を請求すれば、車の所有者が分かるらしい。自動車登録情報に個人情報保護法は適用されないためだ。そして不払いの車の所有者に請求が行く。

ナンバー照会は有料で、追跡して請求するコストをかけても、ビジネスとして成り立つのか。ロック板を設置し管理するコストより、ナンバー照会や踏み倒されたままの損益の方が低いのか。さてこのシステムの前提は性善説なのだろうか。

人を信じるからロック版を無くし、結果的にコストダウンできた。それとも、コストダウンのためにロック版を無くしたが、ユーザーの不正は許さない。なのか。外見は同じでも、根底にある世の中をどう捉えるかという価値観は異なる。